RAIC AIID タクソノミー・ポリシー
RAIC AIID タクソノミー・ポリシー
日付:2025年5月30日
以下の原則は、AIインシデント・データベース(AIID)における新しいタクソノミー(分類体系)の採用に関する意思決定を導くものです。これらの基準は、導入される分類体系が、AI関連のインシデントを正確に分類・分析・学習する能力を高め、AIIDの整合性、公平性、実用性を維持することを保証するものです。提案されたタクソノミーは、すべての原則に照らして評価され、とりわけ、包括的なインシデントの記録と分析を通じてAIの安全性を促進するという我々の使命にどのように貢献するかに注目します。これらの基準を満たすタクソノミーは、研究者、実務者、政策立案者がAIリスクを理解・軽減するためのリソースとして、データベースの価値を高めることになります。
これらの原則について質問がある方や、インシデントデータの分類に継続的に関わっていることを理由にAIIDの意思決定プロセスへの参加に関心がある方は、info@incidentdatabase.ai までご連絡ください。
原則
1. 関連性とスコープの整合性
- タクソノミーは、AIIDに収録されているAI/MLシステムの故障、危険、またはインシデントに直接関係 している必要があります。
- カテゴリーは、既存のAIIDのインシデントまたはハザードに意味のある形で対応している必要があります。
- 既存のタクソノミーを本質的に重複するものであってはなりません。
- AIインシデントや危険の分析に資するものである必要があります。
2. 科学的厳密性と信頼性
- 分類を行う個人や組織は、AIの安全性、倫理、インシデント、信頼性、リスクに関する確かな専門知識を持っている必要があります。
- タクソノミーは、研究または豊富な業界経験に基づく必要があります。
- ピアレビューや学術的な検証が強く推奨されます。
- カテゴリーがどのように開発され、定義されたかの方法論についての文書が必要です。
3. 実用的な適用可能性
- カテゴリーは、AIIDデータに対して明確に適用できる程度に具体的である必要があります。
- 分類の議論を解決できる程度に定義が明確である必要があります。
- 適切な分類のためのガイダンスや例を含む文書が強く推奨されます。
- カテゴリー数は適切である必要があります(細分化しすぎて使いにくくなることなく、少なすぎて実用性が損なわれないこと)。
4. 中立性と客観性
- 政治的またはイデオロギー的な偏りがあるタクソノミーは避けてください。
- カテゴリーは、関係当事者を非難することなく、インシデントを客観的に記述する必要があります。
- 特定のソリューションやプラットフォームを推奨しない、ベンダー中立的である必要があります。
5. 維持管理・更新・拡張性
- タクソノミーに不明瞭な点が生じた際に要素を明確化するなど、継続的なメンテナンスを行う意思のある出所組織が望まれます。
- 新しいインシデントにもタクソノミーを引き続き適用する意思のある出所組織が望まれます。
- すでに該当するインシデントに適用された実績があるタクソノミーが望まれます。
6. 法的・ライセンス上の互換性
- AIIDのCreative Commonsライセンスに適合している必要があります。
- 知的財産に関する対立的な権利主張がないことが必要です。
7. 相互運用性の基準
- マシンリーダブルな形式(JSON、XML、RDFなど)で利用可能である必要があります。
- 該当する場合には、確立されたメタデータ標準に準拠している必要があります。
- 混乱を避けるために、各カテゴリに固有の識別子が必要です。
- 可能であれば、他の主要なAIインシデントタクソノミーにマッピング可能であることが望まれます。
ご希望があれば、この翻訳をPDFまたはWord文書として整えた形式でもお渡しできます。